2023年11月11日土曜日

今年も和作ウィーク、そして高橋家の公開

 さて、やっと11月に入って落ち着きを取り戻してきたところ。

10月は私の人生で片手の指に入るくらいに忙しない毎日で、11月に入ってすぐに竹原の仕事と尾道の和作ウィークに突入。

竹原でもおいしいものをたくさんいただいて、尾道での設営やイベントで1週間の滞在に疲れが溜まってきたところで、高橋家のお墓参りの帰りに再び美味しいランチで復活。


新開地区(尾道で古くは船員さんたちが遊んでいたというエリア)にある、静かな女性が静かにひらいているお店でルーローハンとトマトチキンカレーのあいがけ。丁寧に作られたご飯が体の隅々にしみわたり。

和作ウィークの期間、高橋家はいつものようにお客さまをお迎えしました(11/12まで)。
このおうちに入ってみたかった、というお客さまがたくさんいて、私は高橋家の代理人?遣いのもの?として、お客さまをお迎え。

(小林和作ウィークの詳細は、ここに)

和作ウィークも3回目、主催する空き家再生プロジェクト、ほんとにすごいです。
私は淡々と、2013年から毎年和作忌に合わせて高橋家の公開をしてきたわけですが、その目の前で、小林和作邸が取り壊しの計画が進んでいる。旧小野産婦人科の建物も無くなろうとしている。
文化の保存の意義や意味を問うだけでは食い止めることも難しい昨今の状況のなかで、奇跡のようにそれらの動きが変化していった。そしてうまく循環につながろうとしている。
時が流れる時に、いつもいつも同じ状況にはならない。人も変わり、環境も変わる。
そんな中で残ることの尊さをしみじみと感じながら。


というわけで、三原の駅前のタコと、帰宅を迎えてくれたうちの猫(私が個人的に正しいと思う猫の後ろ姿)の写真も加えて。
今日は1111の日だ!







2023年10月22日日曜日

ジョセフ・アルバースの授業 ー色と素材の実験室(を観ました)

 めちゃくちゃ面白い展示を観に行きました。

川村記念美術館。遠い。

でも素晴らしいコレクションがあり、いい企画展をやっている。

私は高校時代の授業でデザインと絵画の選択があり、迷いなく絵画を選択したが、

もしアルバースの授業を受けていたら、ものすごく進路に迷っていただろう。

いや、アルバースの授業はデザインか、絵画か、という選択でもないのだ。

美術館へは1日がかり、まるで旅。

でもたどりついたごほうびにはおいしいレストランもあります。

カタログ(というか記録集?)も充実の内容で、即入手してしまいました。

https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition-past/2023/albers





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2023年10月8日日曜日

高松から尾道に来た

この連休は、11月の小林和作ウィークに向けて、尾道の髙橋家も公開のための掃除やメンテナンス、そして展示作業。拭いて清めてお庭も整えて。
 
これを10年も続けていると、儀式のように、祈りのようになってくる。
こんな美術のかたちもあるんですよ、なんて小さく呟きながら。
お墓まいりも行かないと。














2023年9月5日火曜日

障壁画プロジェクトのお知らせ

さて、もう9月ですね、早い。
ありがたいご縁がありまして、「障壁画プロジェクト」の審査員の一人として参加させていただきます。
https://setonaikai-ecotourism-association-2.jimdosite.com

上のリンク先にプログラムの詳細がありますが、広島の竹原という歴史的な街並みが残る地域で滞在制作をし、展示発表という流れで若手作家を3名募集しています。締め切りは10/16まで。障壁画といっても日本画に限りません。学生さんも含め、39歳くらいまで。
とても丁寧に作られた、若手の作家さんにとっては恵まれたプログラムだと思います。興味のある方はぜひ素敵なプランを考えて、挑戦してみてください!

今日は別の審査のお仕事があったのですが、他の作家さんのアイデアを読み解くというのは楽しいですね。自分がずっと挑戦する立場だったからこそ(もちろん今もですが)、ひとつひとつをとても真剣に見てしまいます。




2023年8月5日土曜日

げっぷと毒とサテ(8月4日)

朝は市場へ果物を買いに、目当てのフードコートは朝は開いていない。

朝食を食べそびれて彷徨う。アボカドジュースが無性に飲みたくてたまらない。

結局道を渡ったおばあちゃんの食堂まで。ノーシュガーウィズミルクっていったのに、めっちゃ砂糖入り。じゃりじゃり。

午後はカフェで長居して、原稿の入稿を終える。

 

夜、眠れない(朝4時半のアザーンで起こされる)睡眠不足と疲れを癒しに、KAKIKUのリラクゼーションへ行くことに決める。ジョグジャに着いてから、着くまでも、なんだかんだ張り詰めて頑張っていたしね。夜に近い夕方、混雑時のGrab350もする。高い。行ったらマッサージの予約は19時からしか空いていない。受付のお姉さんの英語が聞き取れない。近くのモールのフードコートに行こうと思ったら、情報が古かったらしく、何もなかった。

結局道の反対のサテを食べに。こんな適当な店でも美味しいのだから、本格的な店はさらにうまかろう。近々サテ専門店に食べに行くことを決める。

 

さて。

マッサージの時間がいつの間にか19時半と思い込んでいて、時間を過ぎて慌てて走る。運良く10分遅れでガタイのいいお姉さんが担当してくれた。

英語を話さないけれど、なんとなく好きな感じの人だった。

この担当女性がとてもマッサージが上手なのだが、お姉さん、時々げっぷが出る。げっぷが最後の方で立て続けに激しくなる。ん?時間が遅いから?夕飯食べたばかりなのかな。なんてその時は思っていた。

 

宿に帰ってきて思い出した。

数年前のマレーシアのプロジェクトで、アーティストグループMAIXと一緒に先住民オランアスリの技術を継承しながら小屋を建てるプロジェクトをしたときのこと。メンバーに、オランアスリの娘、ジューがいた。ハードに山や森の中を動くプロジェクトで、洞窟に行く固い岩場に足を引っ掛け、ひ弱な都会っ子の私はすぐに足を挫いた。

足首はすぐにぱんぱんに腫れた。見かねたジューが、マッサージをしてくれた。

それまで普通にしていたジューは、私の挫いた足を優しく撫で、マッサージを始めると途端にゲップをして、止まらなくなった。ソーリー、ソーリー、と言いながらマッサージを続けてくれた。

なんでもシャーマンのような力を持つ人は、痛みや毒を代わりにげっぷにして吐き出したりすることがあるらしい。その後、私の足は無事に回復した。

 

今日のマッサージの女性も、なんとなくジューに似ていたような。

素朴で、なんだか温かくて親しみやすい。

あのげっぷ・・・私はそんなにも毒を溜め込んでいたのか。

終わった後、ひどく眠い。

今夜はよく眠れそうだ。

2023年8月3日木曜日

彼は、生きていた

もう会えないと思っていた。

やり取りしていたメッセンジャーも2021年で届かなくなり、娘さんのアドレスから届いていたメールに返信しても梨の礫。最終手段に追跡をつけた手紙を送っても、日本から2月に送ったものが4月に宛先不明で郵便局保管になっていた。早い話が音信不通だった。

覚悟はしていた。
ジョグジャについて2日目、とにかく行ってみようと思った。
コロナ前の2019、マレーシアのプロジェクトに行く前に立ち寄ったのが最後。
付近の道で親しんだ店の一部はなくなり、並びの家も建て直されたりしていて、
空白の
コロナ禍の期間に変化した部分が目につく。

ああ、Mr.Ricardoの家も空き地になっていたらどうしよう、と考えながら、
若干の重い足取りで道を進む。
家はあった。しかし玄関には見慣れないステッカーが貼ってあり、若者のサンダルとバイクが置いてあった。もう別の人が住んでいるのかもしれない。家の中も暗い。

たまたま隣の家に人がいた。Mr.Ricardoは?と聞くと、いるんじゃない?と、
暗い玄関の戸をバンバン叩く。反応はない。そして裏からも呼びかける。
玄関の戸が開く。懐かしいお手伝いさんが笑顔で迎えてくれる。

・・・彼は、生きていた。

(今日はここまで)


2023年6月17日土曜日

近況報告

 あっという間に6月も後半!今年も半分。まいりました。
昨日は武蔵美の担当ゼミで、みんなで目隠ししてあちこちに行くワークショップ。
いろんな国の留学生もいて楽しかったなあ。
私はモデレーター側だけど、いつか参加して体験したい。

なかなかここのところ近況を書けなかったのは、文字通り忙しない状況だったのと、今年の末に出版予定の本の編者の一人として関わっており、日々文字と格闘しているからなのです。最近は大学の紀要には挑戦させていただいてましたが、学術書に論考を書く立場で参加するのは初めてで、これもとても面白い仕事を体験させてもらっています。

それと今夏はインドネシアでのリサーチなので、インドネシア語(初級)を始めました。
新しい学びというのは、それだけで楽しい。脳みそが喜んでる感じ。
でも見たことのない単語や発音も多く、なかなか手強い。
担当のティニ先生は優しく根気よく指導してくださるので、私は今日も真面目に宿題を片付けます。

そうそう、先の5月には宮古島へのリサーチにも。ハンセン病の施設、宮古南静園で戦争の講話が聞けるということで行ってまいりました。なかなか重いテーマを扱っていますが、退所者の方、スタッフの方の優しさと強さがこれも大きく響きます。今回は、Tちゃんのおかげで思いがけず楽しく美味しい時間も持てた!充実の宮古滞在でした。インドネシア後の9月頃に、3月に行った伊江島と合わせて再度訪問しなければと計画しています。

明日からは久しぶりの尾道。尾道の方々と会食の機会などほんとに楽しみ。
もちろん打ち合わせやインタビューなどの仕事ではあるのですが!
帰りは神戸で下見です。

最近よく聞かれる発表の機会については、諸々同時進行で計画中なので、もうしばらくしたら具体的にお伝えできると思います。

とにかく健康第一、
4月からのホットヨガで体力もついてきた感じなので
気温差や梅雨に負けずに、強く楽しく、ですね。

以上、近況報告でした!