2020年8月6日木曜日

今日という日に

少なくとも無関係ではなく、また遠い話ではないのだ。

祖母の弟は、夕張の炭鉱の現場監督をしていたが、当時19だったにも関わらず、前倒しで召集され、終戦間際の半年間だけ広島にいた。あの前夜はB29の飛来が激しかったという。
彼のいた中隊は爆心地から少しずれており、また防空壕に入っていたため、黒い雨に直接あたることは無かった。しかし現場での救護、死体収容作業と続き、彼自身にも原爆後遺症が残った。ずっと多くを語らずに来たが、今から数年前、その時見た状況を「この世の生き地獄」として本に残し、昨年の秋に亡くなった。

その叔父さんに北海道まで会いに行ったのは二年前のこと。
戦争体験や炭鉱での話を聞き取りながら、忘れないように私の携帯にも音声を記録していた。今朝、あるプロジェクトの音声記録の整理をしながら、それらの音声データを一つ一つ聞いていると、突然その叔父さんの声が流れ始めた。フォルダのプロジェクト名を間違って付けていたようだ。
しかし今日という日、その声に再会出来たのは偶然とは思えない。
忘れてはいけないと。

2020年7月18日土曜日

この世界に生きる


あっというまに、第二波とも言えるような新規感染者数の東京にいます。
本来なら来週は尾道でのプロジェクトでしたが、粛々と東京の自宅で出来ることをしようと思います。
ちょっと新しい試みで恥ずかしくておおっぴらに宣伝していなかったのですが、東京都の支援プログラム「アートにエールを!」に映像作品が掲載されています。

https://cheerforart.jp/detail/950

アフリカの森の女たちの表紙でも使用した写真の上に絵を描く技法でアニメーションの試み。アニメーションはほぼ初めてに近いので、試みです。使用した音楽がとても良いので、お時間ある方は是非・・・

いつか長編も作りたい、シュバンクマイエルも、ケントリッジもハリネズミも大好きなので。。

2020年6月20日土曜日

アフリカの森の女たち



表紙の装画をさせていただいた「アフリカの森の女たち」の本の書評がpenに載っています。ほんとにじわじわくる本です。本の内容についてはこの紹介文にもあるので、私はこの表紙の制作過程を紹介します。


実際の森で撮影?とよく聞かれますが、この森の風景は模型で制作しています。
コンセプトは、全ては森から始まっていると考え、この本の舞台となるアフリカの森の風景を作りましたが、表表紙と裏表紙で違いを出し、After(人々が森に入ったあと) / Before(人々が森に入る前)としています。人が立ち入ったところには、やはり痕跡が残ります。表表紙は人々が森に入った後ですが、人々が森に入った後の場の残り方を、翻訳を手がけた研究者さんたちとやり取りしながら作りました。Afterの風景には、人々が森に入った後に残された、ちょっとした物があります。不要なものは置いていっても大きな布は捨てて行かないとか、森に人が入った場所には、このような木の倒れ方はしていないとか、なるほどと思いながら制作をしていく中で、専門家の意見を聞いて自分の想像を調整しながら作る経験は、大変でしたがとても刺激的なものでした。
ナディッフさんでのこの本の関連展示も来週28日まで。
昨日も会場に行きましたが、秘蔵コレクション(採取物など)がたくさん並んでいます。
楽しい展示ですよ。表紙になった写真作品も、模型もあります。
まだコロナが油断ならない状況下ですが、たくさんの方に見て欲しい、と素直に思います。

2020年6月7日日曜日

展示「「ひそやかな世界と小さなカケラたち」再開


恵比寿のナディッフさんでの出版記念展示が、コロナの関係で初日を終えてから休業となり、延期していましたが、昨日(6月6日)から再開しました。
今回手がけた表紙の本「アフリカの森の女たち」はもちろんのこと、その関連本や貴重なコレクション群、翻訳を手がけた服部志帆さんとの共同制作の映像インスタレーションなどがあります。ぜひこの機会に見にいらしてください!!


NADiff Window Gallery vol.59 アフリカの森の女たち 出版記念 服部志帆・横谷奈歩「ひそやかな世界と小さなカケラたち」
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*以下は、NADiff a/p/a/r/tさんのウェブサイトより抜粋

NADiff Window Gallery vol.59      アフリカの森の女たち 出版記念
服部志帆・横谷奈歩「ひそやかな世界と小さなカケラたち」


2020年6月6日〜28日 木曜から日曜の13-19時営業
NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977


この度、NADiff a/p/a/r/tでは、「アフリカの森の女たち」の刊行を記念して、展覧会とフェアを開催いたします。
本書は、ボニー・ヒューレット著「Listen, Here is a Story: Ethnographic Life Narratives from Aka and Ngandu Women of the Congo Basin」の日本語翻訳本です。中部アフリカの熱帯林に暮らす狩猟採集民アカと農耕民ンガンドゥの女たちの民族誌です。森の女たちは、感情豊かにそして雄弁に自らの人生について語ります。若者はどんなふうに恋に落ち結婚するのか?子どもはどんなふうに生まれ育つのか?なぜ愛する人の死は悲しいのか?閉経後の人生は何のためにあるのか?進化や発達の理論を紹介しながら、人類の普遍性と多様性について鮮やかに描いています。
出版を記念し、訳者の一人である文化人類学者の服部志帆と、表紙を手がけたアーティスト横谷奈歩が展覧会とフェアを開催いたします。NADiff Window gallery及び、店内にて行う展覧会では、服部の創作物語をもとに横谷が製作した作品を紹介します。本書を出発点とし、アフリカの森の民の語り、森での生活、など本に綴られた世界観を描き出します。
また、服部と横谷が収集してきた小鳥の巣、森の植物の標本、謎の石、乾燥したイモムシ(おやつ)、愛のネックレス、ハンティングバッグ、お守り‥‥‥といった世界を成す小さなカケラたちを公開します。



2020年5月11日月曜日

アーティストのおうち時間



コロナで現在お休み中の恵比寿のNADiff a/p/a/r/tさんで、#アーティストのおうち時間という企画をやっており、参加させていただきました。お休み中の私のつぶやきです。
このシリーズ、他のアーティストのおうち時間の過ごし方もなかなか面白いです。
NADiff a/p/a/r/tさんのツイッター、フェイスブック、インスタグラムで公開されています。

(twitter)

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星劇団再演プロジェクトの冊子が出来ました



星劇団再演プロジェクトの二冊目の冊子が出来ました。
タイトルは「わたしの星劇団」。
星劇団の再演プロジェクトに関わってくださる方たちが、それぞれの立場からの言葉を寄せてくださっています。私は編集作業をしながらその率直な言葉の数々に勇気付けられ、涙したりしました。それぞれの語りの全体を読み終えると、星劇団の像がふわっと浮かび上がります。そしてかつての星劇団の活動や人々の想い、今を生きる人たちが受け継ぐものなど、考えさせられます。ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
今はコロナでなかなかお渡ししたり出来る機会もないのですが、ゆくゆくは広く届けばいいなと思っています。まずはお知らせまで。





*星劇団は、終戦直後に尾道の漁師町、吉和で当時10−20代の女性たちが立ち上げた劇団です。

2020年4月26日日曜日

考古学と美術の共同プロジェクト、2017年杉沢遺跡にて


みなさまこんにちは。
コロナで日々自粛。もともと引きこもりは得意だったはずなのに、やはり先が見えないことと強制されている状況はストレスにもなりますね。毎日眠くて仕方ありません。一昨日からヨガをしているのもあるでしょうか。眠い・・。

そんな中で、2017年から参加させていただいている滋賀県米原市、杉沢の縄文遺跡の発掘調査の概報が出来ました。

「2017年度発掘調査概報」*美術のことにも触れていただいています。

http://www.voicegallery.org/sugisawa_2017_RITZ.pdf?fbclid=IwAR0HalhfE_1RXq83D3q6CuZ2VVFHlfy62pOrUlZs67UXrGCQS4Eld3nU4jE

2017年は、真夏の杉沢に滞在して、考古学の矢野先生や立命館の学生さんたち、コーディネーターのヴォイスギャラリーの松尾惠さんや前田さん、現場デザインをすべて担当してくれたUmmmさんのチームと一緒でまさに合宿。古いものを探索しているのに新しい出来事ばかりでわいわいと、楽しかったなあ・・・