2023年8月3日木曜日

彼は、生きていた

もう会えないと思っていた。

やり取りしていたメッセンジャーも2021年で届かなくなり、娘さんのアドレスから届いていたメールに返信しても梨の礫。最終手段に追跡をつけた手紙を送っても、日本から2月に送ったものが4月に宛先不明で郵便局保管になっていた。早い話が音信不通だった。

覚悟はしていた。
ジョグジャについて2日目、とにかく行ってみようと思った。
コロナ前の2019、マレーシアのプロジェクトに行く前に立ち寄ったのが最後。
付近の道で親しんだ店の一部はなくなり、並びの家も建て直されたりしていて、
空白の
コロナ禍の期間に変化した部分が目につく。

ああ、Mr.Ricardoの家も空き地になっていたらどうしよう、と考えながら、
若干の重い足取りで道を進む。
家はあった。しかし玄関には見慣れないステッカーが貼ってあり、若者のサンダルとバイクが置いてあった。もう別の人が住んでいるのかもしれない。家の中も暗い。

たまたま隣の家に人がいた。Mr.Ricardoは?と聞くと、いるんじゃない?と、
暗い玄関の戸をバンバン叩く。反応はない。そして裏からも呼びかける。
玄関の戸が開く。懐かしいお手伝いさんが笑顔で迎えてくれる。

・・・彼は、生きていた。

(今日はここまで)


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