2020年6月20日土曜日

アフリカの森の女たち



表紙の装画をさせていただいた「アフリカの森の女たち」の本の書評がpenに載っています。ほんとにじわじわくる本です。本の内容についてはこの紹介文にもあるので、私はこの表紙の制作過程を紹介します。


実際の森で撮影?とよく聞かれますが、この森の風景は模型で制作しています。
コンセプトは、全ては森から始まっていると考え、この本の舞台となるアフリカの森の風景を作りましたが、表表紙と裏表紙で違いを出し、After(人々が森に入ったあと) / Before(人々が森に入る前)としています。人が立ち入ったところには、やはり痕跡が残ります。表表紙は人々が森に入った後ですが、人々が森に入った後の場の残り方を、翻訳を手がけた研究者さんたちとやり取りしながら作りました。Afterの風景には、人々が森に入った後に残された、ちょっとした物があります。不要なものは置いていっても大きな布は捨てて行かないとか、森に人が入った場所には、このような木の倒れ方はしていないとか、なるほどと思いながら制作をしていく中で、専門家の意見を聞いて自分の想像を調整しながら作る経験は、大変でしたがとても刺激的なものでした。
ナディッフさんでのこの本の関連展示も来週28日まで。
昨日も会場に行きましたが、秘蔵コレクション(採取物など)がたくさん並んでいます。
楽しい展示ですよ。表紙になった写真作品も、模型もあります。
まだコロナが油断ならない状況下ですが、たくさんの方に見て欲しい、と素直に思います。

2020年6月7日日曜日

展示「「ひそやかな世界と小さなカケラたち」再開


恵比寿のナディッフさんでの出版記念展示が、コロナの関係で初日を終えてから休業となり、延期していましたが、昨日(6月6日)から再開しました。
今回手がけた表紙の本「アフリカの森の女たち」はもちろんのこと、その関連本や貴重なコレクション群、翻訳を手がけた服部志帆さんとの共同制作の映像インスタレーションなどがあります。ぜひこの機会に見にいらしてください!!


NADiff Window Gallery vol.59 アフリカの森の女たち 出版記念 服部志帆・横谷奈歩「ひそやかな世界と小さなカケラたち」
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*以下は、NADiff a/p/a/r/tさんのウェブサイトより抜粋

NADiff Window Gallery vol.59      アフリカの森の女たち 出版記念
服部志帆・横谷奈歩「ひそやかな世界と小さなカケラたち」


2020年6月6日〜28日 木曜から日曜の13-19時営業
NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977


この度、NADiff a/p/a/r/tでは、「アフリカの森の女たち」の刊行を記念して、展覧会とフェアを開催いたします。
本書は、ボニー・ヒューレット著「Listen, Here is a Story: Ethnographic Life Narratives from Aka and Ngandu Women of the Congo Basin」の日本語翻訳本です。中部アフリカの熱帯林に暮らす狩猟採集民アカと農耕民ンガンドゥの女たちの民族誌です。森の女たちは、感情豊かにそして雄弁に自らの人生について語ります。若者はどんなふうに恋に落ち結婚するのか?子どもはどんなふうに生まれ育つのか?なぜ愛する人の死は悲しいのか?閉経後の人生は何のためにあるのか?進化や発達の理論を紹介しながら、人類の普遍性と多様性について鮮やかに描いています。
出版を記念し、訳者の一人である文化人類学者の服部志帆と、表紙を手がけたアーティスト横谷奈歩が展覧会とフェアを開催いたします。NADiff Window gallery及び、店内にて行う展覧会では、服部の創作物語をもとに横谷が製作した作品を紹介します。本書を出発点とし、アフリカの森の民の語り、森での生活、など本に綴られた世界観を描き出します。
また、服部と横谷が収集してきた小鳥の巣、森の植物の標本、謎の石、乾燥したイモムシ(おやつ)、愛のネックレス、ハンティングバッグ、お守り‥‥‥といった世界を成す小さなカケラたちを公開します。